農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

27年度採択

養豚牧場電解機能水システムコンソーシアム

食塩・水・電気から生成される電解機能水を養豚畜産事業に導入し、衛生状態の改善、疾病予防などを低コストで実現し、生産性向上を目指す

農業界代表:塚原弘
経済界代表:(株)東芝

コンソーシアム形成の経緯

 茨城県猿島郡にある塚原牧場では、梅山豚(メイシャントン)という品種の豚を養畜しています。梅山豚は中国太湖系の原種豚ですが、多産系で未熟児が多いため養畜が非常に難しく、現在日本では塚原牧場と農林水産省を合わせて100頭ほどしか飼育されていない貴重な豚です。DNA分析によると、一般的な豚や黒豚とはかなり異なる系統で、イノシシなどに近い血統を持つということです。豊かな味わいと上質な脂身の美味しさに塚原氏が惚れ込み、自ら養育に取り組み、主に高級ホテルや有名レストランに卸されています。
 畜産業界では近年、PED(豚流行性下痢)の発生および被害が大きな問題となっており、子豚が特に被害を受け、平成25年からの2年間では50万頭以上もの豚が死亡する事態となっています。幸いにも塚原牧場ではPEDの発生は無いものの、8km先にある養豚場にまでPEDの脅威は迫ってきました。このような現状から、塚原氏は疫病の蔓延を防ぐ方法・技術を早急に必要としていました。
 このような中、塚原氏は知人より、東芝が食品加工工場などで使用している殺菌効果を持つ電解機能水(次亜塩素酸水)の新たな使い道を考えているとの話を聞きました。その後知人の紹介により塚原氏と東芝は引き合わされ、そこで両者は技術内容と養豚現場での問題について協議したところ、塚原氏の求める技術と東芝の持つ技術・新規分野での実証というお互いのニーズとシーズが見事に合致し、養豚牧場電解機能水システムコンソーシアムが結成されました。

プロジェクトにかける想い
 現在、養豚において感染症を予防する確実な対応策といえるものは無く、石灰散布など特定の感染症に対する殺菌効果に少々疑問の残る対応方法を取らざるを得ない状況です。今回の実証により、有効性のある洗浄・殺菌方法を確立することができれば、感染症の予防が急務である日本の畜産業界全体を守ることができると考えています。


技術

 次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムソーダ(ノロウイルスに効果のある消毒薬)の約80倍の殺菌力を有し、ノロウイルスや芽胞菌にも効果があります。食品加工工場にも導入実績があり、人体への影響もほとんどありません。
 東芝の電解機能水生成装置は危険な薬品は一切使用せず、食塩と水と電気だけで殺菌水(次亜塩素酸水)と洗浄水(アルカリ水)を同時に生成することが可能です。対象物の十分な洗浄を行ってからでないと想定通りの殺菌効果が得られにくい次亜塩素酸水の特徴から、乳化・脱脂力に優れたアルカリ水で同時に洗浄を行うことができる合理的な仕様となっています。さらに独自の2隔壁3室型方式により、生成水への塩分の混入を完全に防止することができ、塩分による錆発生のリスクが少ないことも、鉄骨の多い養豚舎での利用に適しています。
 今回の実証では、牧場外からの感染症侵入防止と、牧場内での衛生状態の改善・維持の両面を併せ持ったシステムを目指します。具体的には、牧場の入り口に自動手洗い器と長靴洗浄機を設置し、さらに入構する車両の洗浄を行います。牧場内では高圧洗浄機による農機具・畜舎洗浄、動力噴霧器による分娩前豚の洗浄、畜舎空間のフィルター気化式空間殺菌を行います。

なお、次亜塩素酸水についての詳細は、以下東芝様のwebページに掲載されていますので、是非ご覧ください。
http://www3.toshiba.co.jp/ddc/kinousui/index_j.htm

[更新]

将来展望

 電解機能水システムによる衛生管理を実施することで、感染症事故と未熟豚を低減し、売上の改善を目指しています。洗浄・殺菌工程の追加により、畜舎内での作業工数は増えてしまいますが、それを上回る収入向上効果があることが見込まれています。
設備のランニングコストについては、通常の水道水の2割程度のコスト増に抑えることができ、初期導入方法についてもリース方式など多くの牧場で導入しやすい方法も検討しています。
今回の技術が実証されれば、養豚だけでなく牛、鶏など他の畜産分野での応用も期待できます。

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