農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

  • 会員ログイン
  • お問い合わせ
  1. ホーム
  2. 事業のご紹介
  3. 連携プロジェクト一覧
  4. ポパイ応援隊(元気なホウレンソウ生産組合)

連携プロジェクト詳細

27年度採択

ポパイ応援隊(元気なホウレンソウ生産組合)

無加温多棟パイプハウスに、自動灌水制御システムと、自動遮光カーテンシステムを導入した葉菜類栽培生産向上モデルの実証

農業界代表:田口農園
経済界代表:(株)オネスト

コンソーシアム形成の経緯

 茨城県鉾田市で農業を営む田口農園の田口氏は、無加温パイプハウスでほうれん草の栽培を主に行っています。無加温パイプハウスとは、トマト等の施設園芸栽培で使用されているボイラーなどの加温設備を備えた加温ハウスと異なり、露地にパイプでビニールハウスを設置しただけの、シンプルな作りのパイプハウスのことを言います。
 現在、田口農園では100棟の無加温パイプハウスを所有していますが、この地域でも農業の担い手不足・高齢化が深刻な問題となっており、今後も引退した農業者の農地を請け負うことで、農地面積が拡大していくことが想定されています。しかし、一方でほうれん草の栽培においては、主に水撒きにかかる時間が制約となり、拡大可能な農地面積には限界があります。
 現在手作業で行っている水撒きは1棟あたり10分ほどの時間がかかり、100棟でのべ16時間以上の時間が必要な計算になります。水持ちの良い冬場は人手をある程度増やせば対応が可能ですが、1日に2回の水撒きが必要な夏場は、確保できる人手とコストを考慮すると、100棟での栽培は困難であり、所有する全棟ではなく一部のハウスでのみ栽培を行っているのが現状です。
今後高齢農業者が引退し、農地が集約され農地面積が増えたとしても、対応することができず、耕作放棄地にせざるを得なくなってしまうという危機感を田口氏は強く感じていました。
 この問題を解決するには、無加温パイプハウスにICT・灌水設備を導入し、作業工数の大幅な削減を図ることが必要であると考えましたが、無加温パイプハウスには灌水設備やICTなどはほとんど導入されていません。
様々な展示会や企業へ技術を探し歩いても、コスト面で現実的ではなかったり、無加温パイプハウスに導入するにはオーバースペックであるなど、なかなかニーズに見合う技術が見つかりませんでした。
 そんな中、資材関係で取引のあったシーアイマテックス社に相談したところ、農業ICTに強みを持つオネスト社の紹介を受けました。そして2014年の12月、田口氏とシーアイマテックス社、オネスト社の三者で議論を交わし、田口氏が抱えている課題や求めている技術と経済界の持つ技術が合致し、無加温パイプハウスでのICT設備導入による課題解決の糸口が見えてきました。こうして、「ポパイ応援隊」コンソーシアムが結成されることとなりました。

プロジェクトにかける想い
 経済界側構成員であるオネスト社とシーアイマテックス社は、今後発生する農業の課題に正面から向き合い、それを解決していこうとしている田口氏の熱意・向上心を応援したいという思いを持っています。また、当プロジェクトで実証している技術は、実証圃場のみでなく全国の多くの農家が現実に直面している高齢化・担い手不足という課題の解決策となる技術です。新規就農者や地域農業のお手本となるモデルを作り、全国の農家の課題の解決に役立てることができればと考えています。


技術

 無加温パイプハウスにオネスト社の農業用ICT、灌水システム(電磁弁)を導入することで、ほうれん草の栽培において大きな負担となっている水撒きを中心とした農作業の効率化を図ります。さらにシーアイマテックス社提供の遮光カーテンを設置し、栽培の難しい夏期のほうれん草栽培を可能とし、収量増加を目指します。現在、日本にある無加温パイプハウスのほとんどには灌水制御技術やICTは導入されておらず、今回の実証により無加温パイプハウスの常識が大きく変わる可能性もあります。

[更新]

将来展望

 将来の日本の農業を取り巻く環境を想定すると、高齢農業者の引退により若手農業者に農地が集約され、作業効率が向上して個々の農家の収入は向上するかもしれません。しかし、作業方法に革新が起きなければ、請け負うことのできる農地面積は早い時期に限界に達し、結果として耕作放棄地が増加し地域が廃れてしまいます。
 今回実証する技術は、個々の農家の問題のみではなく、農業と密接に関係する地域創生にも寄与することができる技術と期待されています。

プロジェクト一覧に戻る

上に戻る