農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

27年度採択

浄化還元型みらい畜産業コンソーシアム

高分子凝集剤とハイブリット式人工湿地ろ過システムを利用した、低コストかつ低環境負荷の糞尿処理法の確立

農業界代表:小岩井農牧(株)
経済界代表:(株)地球快適化インスティテュート

コンソーシアム形成の経緯

 現在、畜産業における糞尿処理は、養豚に多い活性汚泥法と、酪農に多い液肥施肥処理が中心になっています。しかし、活性汚泥法の施設は高額な建設費・運転費がかかりメンテナンスが難しく、一方で液肥施肥には高い運搬コストと共に、広大な農地が必要です。畜産業の盛んな地域においては、既に家畜排泄物量が土壌の処理分解能力を超えており、過剰施肥による土壌の劣化や地下水・河川汚染の要因となっています。
 ㈱地球快適化インスティテュートは、三菱ケミカルホールディングスのシンクタンク組織として「エネルギー及び環境問題・水食糧問題・健康問題」の解決を会社の命題としているところから、地下水・河川汚染の要因となっている家畜糞尿のリサイクルについて小岩井農牧㈱と検討していました。
 小岩井農牧㈱が運営する小岩井農場は、敷地面積3,000ha、飼養牛頭数2,200頭以上の大規模農場ですが、冬期は圃場が雪で覆われ液肥施肥をすることができません。平成24年より三菱レイヨンの高分子凝集剤を使って糞尿処理問題を解決する研究を始め、その研究の過程で、高分子凝集剤にハイブリッド式人工湿地システムを組み合わせたら、新たな糞尿処理方法が確立できるのではないかとの仮定が生まれました。
そのようなときに先端モデル実証事業があることを知り、高分子凝集剤とハイブリッド式人工湿地システムを組み合わせた糞尿処理の確立を目指す、浄化還元型みらい畜産業コンソーシアムが結成されました。

プロジェクトにかける想い
 将来の世界的な人口増加により畜産・酪農生産物の需要が高まったとしても、土壌の糞尿処理分解能力には限界があり、やがて糞尿処理が制約となり増産を行うことができず、食糧需要を満たせないおそれがあります。日本は国土面積が狭いことから、家畜の糞尿処理問題に早くから直面しており、効率的な糞尿処理方法の技術については高い水準にあります。今回実証する低コストで効率的な糞尿処理システムを確立することで、家畜の糞尿に由来する環境問題を、将来的には世界を見据えて解決していきたいと考えています。


技術

 本実証実験では、畜産バイオマス発電において、家畜糞尿を固液分離し液体部をメタン発酵させた後の液(消化液という)を処理対象とします。
 排水処理用の人口湿地システムは、砂利や砂の層で構成される複数の湿地(ろ床)で汚水をろ過して省エネルギー・低コストに浄化する方法で、物理的ろ過・化学的吸着・生物的分解により汚水中の有機物や窒素成分を除去する仕組みです。特にハイブリッド式人工湿地システムは、好気的ろ床と嫌気的ろ床の組合わせた手法で、窒素除去能力に優れています。このハイブリッド式人工湿地システム自体は既に確立されている技術で、消化液のように有機物や窒素濃度が非常に高い液体も適切に浄化できますが、活性汚泥処理法などの機械的処理に比べると必要な面積が大きいというデメリットがあります。
 そこで、三菱レイヨン㈱の窒素・リンを含む個体成分を高効率で凝集できる高分子凝集剤を消化液に添加し固液分離を行うことで、固体部分は固体肥料とし、残った液体部分をハイブリッド式人工湿地システムで放流可能なまで浄化処理することで、よりコンパクトな浄化還元型システムが提供できることを実証します。

[更新]

将来展望

 ハイブリッド式人工湿地システムも高分子凝集剤も既に確立されている技術ではありますが、両方を組み合わせた糞尿処理技術は未だ確立されていません。高分子凝集剤を使用することで、ハイブリッド式人工湿地システムに適用できる糞尿・消化液の範囲を拡大させ、既存の方法に比べて低コストの糞尿処理システムの確立を目指します。

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