農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

27年度採択

Xハウス~豊田市 農経界連携トマトプロジェクト

高張力パイプを使ったオールインワンの新型低コストユニットハウスを開発し、ミドルワイヤー式トマト栽培で30トン(10a当り)採りを実証して低コスト高収量の安定経営モデルを確立

農業界代表:大橋園芸
経済界代表:シーアイマテックス(株)

コンソーシアム形成の経緯

大橋園芸の大橋氏は、愛知県豊田市で30ha弱の水田と畑で米・麦・大豆・玉ねぎ・にんにく等を栽培し、50aのハウスでは約150品種の野菜苗と花苗生産をしています。一方でカジュアルフレンチレストランやハンバーグレストランを市内で経営するとともに、2016年2月に開通した第二東名の岡崎SAでは、地元農産物の加工品テイクアウト店を出店して農産物の販売を計画するなど事業意欲が旺盛な方です。
このように意欲的な農業生産者である大橋氏は、オランダ型のサイエンス農業が話題となっている中で、本格的なトマト栽培を手掛けてみたいと考え、国産品種トマトの10aあたり50t採りを実現した他のプロジェクトのリーダーである、イノチオホールディングス(旧イシグロ農材)に話を聞きました。しかし、50t /10a採りを実現できるようなハイテクハウスは高額な設備投資と高度な栽培技術が必要なため大規模経営向きであると聞き、個人農家レベルでは無理だと考えていました。
 そのようなときに、50t /10a 採りのプロジェクトに共同参画しているシーアイマテックスが、先端農業モデル事業への応募を検討中である「Xハウスプロジェクト」のパートナーを募集しているという話を聞きました。このXハウスプロジェクトはイノチオホールディングスとシーアイマテックスが必要最低限の環境制御機器を備えた低コスト新型ハウスを開発し、トマトの30t/10a採りで早期安定経営モデルを実証するというプロジェクトでした。しかも、パートナーには、50t/10a採りを達成した栽培技術者が、30t/10a採りの栽培技術や環境制御技術を教えてくれるというのです。大橋氏は詳しく話を聞きにいき、50t/10a採りは高額な設備投資が必要でハードルが高いが、新型ハウスであればその半額以下の設備投資で済むこと、30t/10aという日本の平均レベルより5割以上多い収量が見込め、早期に経営を軌道に乗せることができることから、即刻当プロジェクトに取り組むことを決断しました。こうして農業界と経済界の三者でXハウスプロジェクトコンソーシアムが結成されることとなりました。

プロジェクトにかける想い
イノチオホールディングスとシーアイマテックスは、他のプロジェクトにおいて国産品種トマトで初めて50t/10a採りを達成しましたが、国内生産者に広く受け入れられる日本らしい経営モデルが作れないかと考えました。

 施設業界の「耐久性や安全構造基準」は世界レベルで見てオーバースペックではないか、栽培ハウスは採光性や環境制御などの栽培環境を第一に考えるべきではないのか、最小限の設備で最大限に効果を上げるトマトハウスはどのようなものであるべきかなど、様々な視点から新型ハウスの開発を進めました。
 大橋園芸の大橋氏も、地元に美味しいトマトを安定的に供給したいという思いがあり、まずは収量を追求しつつ、いずれは味も武器にして高付加価値農業で勝負していきたいと考えています。
 Xハウスプロジェクトは低コストで早期安定経営を目指す経営モデルであり、三反程度の比較的小規模の経営面積で農家が十分に生計を立てることができることを実証していきます。大規模経営をしたくても土地や資金が無いなどの現実的な問題がある中で、全国の意欲的な生産者や新規就農者の課題解決に役立てることができればと考えています。


技術

シーアイマテックス㈱とイノチオホールディングス㈱は基礎・骨材・ハウス金具・天窓金型といったものを根本的に見直し、設計と試作を繰り返した結果、骨材を高張力STXパイプにした間口8m×奥行4mを1ユニットとし、構造計算で風速30mに耐えることができ、作業性もよく、骨材の影が少なく採光性が抜群で換気性の良いハウスを開発することができました。
 一般的なハウスは土地の形状や農業者の好みによりオーダーメイドに近いものになっており、コストアップの一つの要因になっています。Ⅹハウスはユニットの規格を単一とし、土地の大きさに合わせてユニット数を調整することで70通りの組合せの規格が選べ、製造側の在庫・納期・構造計算・見積り等にかかるコストを大幅に削減することができました。また、図面や施工方法の標準化も図れるため、相乗効果で全体的なコストダウンが実現できました。さらに、ICT環境制御機器も、複数区画制御や遠隔制御が可能で拡張性が高く、国産他社製品と比べても多機能で安価なものを開発しました。
 これらの設備にトマト30t/10a採りの栽培技術・環境制御技術の提供を合わせることで、中小規模の農業者が投資可能な金額で導入初年度から黒字化を見込むビジネスモデルの構築を計画しています。

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将来展望

 農業者の高齢化や担い手となる後継者不足が進み、大規模集約化が進むだろうと予想される一方、農地の流動化はなかなか進まず、大規模耕作地が確保できないのが現状です。
 Xハウスプロジェクトはこのような現状においても、中小規模の生産者が十分生計を立てていける経営モデルを実証しています。
 今回開発したXハウスはトマト以外の作物にも展開が可能であり、園芸施設と栽培技術をセットで提供して行くことを考えています。単にハードの提供だけでなくソフトも含めて経済界と農業界が相互に連携しあうビジネスモデルが、日本の強い農業作りに寄与できることを期待しています。

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