農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

26年度採択

ながさき南部先端農業研究コンソーシアム

RT(ロボット技術)を応用したトマト収穫作業の効率化

農業界代表:(農)ながさき南部生産組合
経済界代表:スキューズ(株)

コンソーシアム形成の経緯

 トマトは、1世帯当たりの年間支出額が最も多い野菜であり(2014年度家計調査「1世帯当たり品目別支出金額」)、今後も需要の拡大が見込める作物の一つです。日本のトマトは品質の面で他国より優れている一方、平均収量はオランダの8分の1程度であり、まだまだ改善の余地を残しているのが現状です。
 トマトの生産コストのうち、人件費は作柄によって約50%を占めるものもあり、大きなコスト要因となっています。特にトマトの収穫は、多くの人手を要すると共に、腰に負担がかかる過酷な作業です。この重労働から生産者を開放し、効率的な収穫を可能とすることで、収量はより一層高まり、農業者の収益向上が期待できます。しかし、この現状を打破する効果的な解決策は未だありません。
 コンソーシアムにおける農業界側の代表である「農業組合法人ながさき南部生産組合」は、島原半島一帯に組合員120名を抱える農事組合法人です。極力農薬を使用せず、生産者・消費者・環境にやさしい栽培方法を大切にする組合の想いは、多くの消費者の共感を呼び、親しまれています。
ながさき南部生産組合は、安定的に高い品質のトマトを提供することに定評があり、消費者の健康、農家の健康を重視する栽培方法を追求する先進的な生産組合ですが、他のトマト生産者と同様、収穫期の重労働には長年悩まされてきました。
 一方、経済界側の代表である「スキューズ株式会社」は、ファクトリーオートメーション化やロボット開発を得意とするベンチャー企業です。工場現場における人手不足を改善し、効率の高い生産へと導くプロフェッショナルであり、自動車製造業や食品分野において数々の実績を有しています。スキューズは、これらの分野で蓄積したノウハウが農業現場に活かせるのではないかと思い、貢献への道を模索しているところでした。
全く接点の無かったこの2つの組織ですが、2013年に農林水産省からの紹介で知り合うこととなりました。スキューズは、ながさき南部生産組合の生産に対する想いや先進的な考え方に共感し、トマト生産現場の難題を解決すべく、コンソーシアムが立ち上がりました。

プロジェクトにかける想い
国内の工場においては、少子高齢化に伴い、熟練従事者の高齢化や深刻な人手不足などにより、人手作業の自動化が 喫緊の課題となっています。このような生産現場の状況は、日本の農業の現場にも重ね合わせることができます。スキューズは、工場自動化のシステムインテグレート事業を柱としており、これまでも多くの工場の悩みを解決してきました。経済界で培った自動化技術やノウハウを農業界に移転することで、現場の課題を解決し、強い農業経営の確立に寄与すると信じています。


技術

 このプロジェクトでは、自動車や食品製造の分野において確立している人手作業の代替技術をトマトの収穫現場に移転した「自律走行型収穫ロボット」の開発を目指しています。このロボットは、各種センサーから得られる情報を基に障害物を避けながら移動し、トマトの果実を認識・収穫するものです。夜間の運用を前提としており、70~80%の収穫効率を目指しています。
 開発中のロボットには4つの車輪が菱型に配置されており、前進、後退、旋回と、圃場を自由に動き回ることを可能としています。また、サスペンションを取り付けることで、凹凸のある地面でもスムーズに移動できるよう工夫されています。
 画像認識用のカメラは胴体とアームの2か所に設置されています。胴体のカメラで最も近くにある赤い物体を収穫対象として認識し、座標を計算します。次に、アームに設置されたカメラでトマトの萼の位置を特定し、アームで萼を切断、収穫します。
 実施事業1年目である本年度は、ロボットの機能を「自律走行」、「画像認識」、「自動収穫」の3つに分類し、各機能の能力を細かく分析しました。来年度は、より現場の環境に適した2号機を開発する計画であり、安全面に対しても強化していく予定です。

[更新]

将来展望

スキューズのこだわりは、「現場の環境を成るべく変えなくとも導入できるロボットの開発」です。トマトは日本各地で生産されており、品種、使用する資材、栽培方法等により現場の環境は大きく異なります。あらゆる状況を想定し、既存の圃場条件でも十分な機能を発揮するロボットを開発することで、自律走行型収穫ロボットの幅広い普及が想定されます。更に、この技術がトマトで確立すれば、リンゴやイチゴなどの作物を対象とする収穫ロボットの開発も期待できます。

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