農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業 先端農業連携創造機構

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連携プロジェクト詳細

26年度採択

稲作農機レンタル協議会

コンバインの所有からレンタル化による稲作経営のコスト低減を目指し、遠隔地間での稼働率の確保およびメンテナンス・オペレーション体制の構築を行います。

農業界代表:(有)いずみ農産
経済界代表:オリックス(株)

コンソーシアム形成の経緯

 稲作経営において、費用の最も大きな割合を占めるものは農機具およびその減価償却費です。その額は全国平均で費用全体の実に4割にも達します。さらにその機械減価償却費の中で最も高額であるのがコンバインです。
 通常、日本で生産されているコメの収穫敵機は2週間ほどの短い間に限られ、その間に刈り取りを終えなければ美味しい米を収穫することはできません。すなわち、圃場の規模を拡大しても、長期間コンバインを使用し、全体のコストを下げるということは、コメの収穫適期を外れてしまうことになるため難しいのです。規模の大きい圃場には、より大型の高額なコンバインを使用することで収穫適期を逃さないようにするしかなく、圃場を大規模化してもコスト削減につなげることは困難です。

 このような稲作農家が抱える問題がある中、およそ5年前、山形で稲作を営む㈱庄内こめ工房の齋藤氏と、千葉で米の卸売業を営む㈱泉屋の泉氏との出会いがありました。共に稲作に対して熱い思いを持つ両者は意気投合し、初対面にもかかわらず6時間以上も話をしました。米作りについて語り合ううちに、山形と千葉で米の収穫期が違うことに気付いたのです。それと同時に、収穫期のズレがあれば、コンバインを融通しあうことで長期間稼働させ、全体のコストを削減することが可能ではないだろうかと、稲作農家が抱える高額な農機具費という問題に対する解決策を思いついたのです。
 齋藤氏と泉氏は解決策の実現のため、リース会社に見積もりを依頼するなどさっそく計画を練りましたが、結果は良いものではありませんでした。各地の移動前に行うフルメンテナンス費用が高額になり、とても採算が合わなかったのです。こうしてプランは一旦頓挫することとなりました。

 しかし、その後5年が経過した2013年。齋藤氏と泉氏は農業界と経済界の連携の事業の話を知ることになります。これなら補助金を利用しメンテ費用を賄うことで採算が取れる。ただ、将来的に補助金に頼ったスキームを作りたいのではなく、今回の事業で農機レンタルの可能性、その問題点の洗い出しとその解決方法を実証できれば、建設業界で行われている重機レンタルのような事業の確立につなげられるのではないだろうかと、考えたのです。

 未来を見据えた事業を確立するにあたって、齋藤氏と泉氏はレンタル業界最大手であるオリックス㈱の門をたたくこととなります。これによって稲作農機レンタル協議会が誕生することとなりました。

プロジェクトにかける想い
 米価は毎年下落の一途をたどり、十数年前の半分以下になってしまっています。にもかかわらず稲作農家のコスト削減は全く進んでおらず高いままです。このままでは日本の稲作の担い手がいなくなってしまいます。この実証事業を通して、農機レンタル事業の確立ができれば、例えば今までは国内消費の用途しかなかった米が、コスト削減により輸出競争力を獲得し、輸出品目としての米という新たな価値を創造することができる可能性もあります。当事業は未来の日本農業の形を模索するための、前提となる基礎を作ることができる技術であると考えています。


技術

 山形と千葉で気候の差による稲の収穫時期のズレを利用して、それぞれの収穫時期に合わせてコンバインを利用します。具体的には、8月から9月上旬にかけて千葉で刈り取りを行った後、コンバインのフルメンテナンスを行い、山形へ移送します。そして9月中旬から10月下旬にかけて山形で刈り取りを行います。さらに再度コンバインを千葉に移送し、晩成品種の刈り取りを実施します。このように早生・奥手の品種を組み合わせることでさらなる収量の増加とコスト削減も図っています。
 一方、オリックス㈱は機械をまとめて購入することでスケールメリットを得て、さらに保険料を負担することで最適な保険の組成を可能にします。そして農業側とともに将来の農機具レンタル業の事業化を模索していきます。

[更新]

将来展望

 今回の実証において、レンタルの対象としている農機具はコンバインのみとなっていますが、農業現場には大変便利であるものの年間数日しか使用しないといった農機具は多く存在します。それらも含めた農機具レンタル事業が、現在行われている建設機械のレンタル事業のように全国的に確立し、農業経営における大幅なコストの削減と収量の増加が実現されることを目標としています。

事業二年度目

事業二年度目の状況

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 稲作農機レンタルのスキームの実証において、コストのうち大きな割合を占め、かつ削減の余地があると考えられるのがメンテナンス費用です。農機具のメンテナンスは、販売店や修理業者にメンテナンスを一任することが一般的です。レンタルスキームにおいて遠隔地移動のタイミングごとにフルメンテナンスを行うとコスト面で厳しいことから、メンテナンス項目を限定して依頼できる修理会社を選別し、メンテナンス項目のチェックリストを作成することで、部品ごとの耐久性とメンテナンスのタイミングなどのノウハウの蓄積を図っています。将来は得られたデータを農機具メーカーにフィードバックすることで、専用部品の開発や、新型機の開発実証といった関係をメーカーと構築していくことも考えられます。
 レンタル農機の破損や故障に対する今後の新たな取り組みとして、レンタル方式をオペレーター付作業委託形態によって運用することも検討しています。平成26年度の実証時に、農機具の乱暴な使用により通常は破損しないような箇所の部品が破損してしまうことがありました。オペレーター付きの形態にすることで、このような農機具の乱暴な使用による故障・破損の防止や、稼働率の向上といったメリットがあります。今後も実証実験から発見された様々な課題とその解決や新たなアイデアにより、農機具レンタル事業が、事業経営における大幅なコストの削減と収量の増加につながるようプロジェクトに取り組んでいきます。

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